これまでに、安全でないと分かっている物質でも、その優れた機能のために色々な電子?電気製品に使われてきました。圧電体材料はその典型的な一例です。圧電体材料は、電気を通せば伸縮し、力を加えれば電気を発生する性質があることから、圧電体アクチュエーターとして、インクジェットプリンタや超小型圧電モーター等に幅広く利用されており、国内だけでも年間約45億個が生産されています。
しかし、90%以上の圧電デバイスには、約70wt%の鉛を含むPZT系物質が使用されています。
近年環境維持の観点から、鉛のような人体に有害な物質を使う製品を世界的に規制しようとしています。鉛を含まれない鉛フリー圧電体材料を開発し、環境に有害な物質を製品から排除し、環境汚染を未然に食い止めることは、これからの環境対策の主流となります。現在、香川大学を中心に、環境に無害のチタン酸バリウム材料の組成?構造を制御することで、環境にやさしい鉛フリー圧電体材料を製品化に向けて企業との共同研究開発を進めています。