香川大学上村 忍UEMURA Shinobu
- 香川大学創造工学部 先端材料科学領域 准教授
- 博士(学術)
略歴/福岡県生まれ。熊本大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了。修了後、企業、国内大学、海外(ドイツ)にて博士研究員として従事。2009 年9 月に熊本大学大学院自然科学研究科に助教、2013 年10 月より香川大学に講師として着任。2015 年4 月より現職。
略歴/福岡県生まれ。熊本大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了。修了後、企業、国内大学、海外(ドイツ)にて博士研究員として従事。2009 年9 月に熊本大学大学院自然科学研究科に助教、2013 年10 月より香川大学に講師として着任。2015 年4 月より現職。
「分子の気持ちになって材料を作る」というコンセプトで、分子やナノスケールの薄さのナノシート材料など、直接眼で見ることはできないものを対象とした研究を行っています。特に、モノとモノが接する界面での現象が材料では重要で、界面はバルクより多くの要因を考える必要があります。それら要因のバランスを想像しながら対象となる分子の環境を構築、新しい材料を作り出すことを行っています。実際に行ってみないとわからないことが多い研究ですが、いろいろ試せることの楽しさ、意外な組み合わせでの発見などがあります。
どういう環境、立場でも「○○の気持ちになって物事を考える」ということは様々なことを動かす要点と思っています。自分以外の視点で考えることで、新しい気づきも見い出せます。
研究テーマ
窒化炭素は可視光応答性光触媒として知られ、ユニークな窒素豊富な骨格を有する半導体性の高分子です。グラフェンに似た二次元構造であることから、前述の高機能光触媒の他、太陽電池など電子材料などへ応用も期待されています。我々は親水性の高い単層構造である酸化グラフェン(写真① a 及び写真②)や前述の窒化炭素(写真① b)というナノシート材料を利用した高機能分離膜(分離における省エネやメンテナンスフリーなどが期待できる薄膜)の開発を目指しています。特に近年水資源不足から注目を集める海水淡水化のための逆浸透膜(海水中のイオンを除去する薄膜)を多孔性ナノシートを利用して開発することを目指しています。現在、ナノシート間をつなぐ(接着する)分子による薄膜化への影響などを明らかにする研究を行っています。
写真:①酸化グラフェン (a) 及び窒化炭素 (b) の構造式 ②酸化グラフェンのAFM 像 ③本 研究の目的
界面科学、ナノ材料化学、高分子材料