2016年7月に大学改革構想を発表した香川大学。平成28年度から「第3期中期目標?中期計画」に基づき、「地域活性化の中核的拠点」大学を目指す本学には、今まで以上に地域との連携を深め、地域発展に貢献することが求められています。
そこで今回、四国?香川を代表して、産業界から千葉様、研究機関から田尾様をお招きし、香川大学へ期待すること、これからの大学のあるべき姿など、有意義なご意見をいただきました。
※本大学改革は現在構想中のものであり、今後変更することもあり得ます。また、新学部?新学科及び各コースの名称はすべて仮称です。
香川大学改革構想で 地域の活力を創造
長尾 本日はお忙しいところをお集まりいただきありがとうございます。香川大学は2016年7月に新学部を軸として全学協働体制で人材育成を推進する大学改革構想を発表いたしました(図1)。その中心に据えたのは人材育成です。香川県の強みを生かしながら地域に求められる人材を育成するため、2018年度に新しくなる三つの学部をご紹介します。
ひとつは創造工学部の新設です(図2)。創造工学部は「文化の創造」「安全の創造」「産業の創造」を標榜しています。新たな価値を創造するデザイン思考能力や、価値の創造に伴うリスクを管理するリスクマネジメント能力を有する人材を育成します。
「文化の創造」を主に担うものとして、造形?メディアデザインコースと、建築?都市環境コースを設置します。ものづくりに新しい感性を加えて、人々の多様なニーズに柔軟に対応できる個性豊かで付加価値を提供できる人材を育てたいというのがこの両コースの核になります。
「安全の創造」については、喫緊の課題である防災危機管理をはじめ価値の創造に伴うリスクにも対応できる人材育成をしていきたいと思っております。
もう一点は経済学部の機能強化であり、観光?地域振興コースとグローバル社会経済コースを新設いたします。本学の伝統である経済学や経営学を基礎に、香川県の強みを生かせるような観光や地域文化?産業等に強い人材と、世界に通用する人材を輩出したいと考えています(図3)。
三点目は医学部における臨床心理学科の開設です。現在教育学部内に臨床心理士の養成コースがありますが、その人材育成を継続して医学部で行います。平成29年度に法律が施行され公認心理師が国家資格になりますが、心の問題はいま医療?福祉?介護?教育のみならずあらゆる組織でも対応を迫られており、さらに多くの人材が求められると言われております。
このような改革について、産業界からのご意見を頂戴できますでしょうか。